開院後すぐの訴訟(7):

工藤教授はde novo発がんで一世を風靡された方である。我が院長はde-novo発がんを否定するものではないが、やはり大腸がんの多くはadenoma-carcinoma sequenceから発生するのではないかという古典的な組織発生論を支持していた。

大腸がんの組織発生のいずれも大家である。

立場は異なるが、工藤先生もまさか少々のはした金で学会の重鎮であられたわが院長を表立って敵に回すとは思えなかった。我が師匠は、縁も所縁もない弟子(私もそのうちの一人)をたくさん育てられ、なんといっても人望が厚かったから、それこそ医療事故の証人に高裁で証言を求められるようなことも多かった方である。

ああ、どうぞ工藤先生にお願いしてくださいと返事を出した。

ここまでくれば小髙先生は潮時と踏んだらしく、東京地裁から和解の手続きをしてくださいとの勧告があったが受け入れますかと問い合わせてくださった。

田坂は患者さんに入院後いくばくかのお見舞金を渡していたらしく、結局和解に。和解金はお見舞金を下回る金額だったらしい。あちらさんは弁護士費用だけ損したことになる。

ここまで来るのに約2年の日が過ぎていたのだった。

その後、マッチは自院ではポリープ切除後変わったことがあったらマッチの携帯に電話すること、その上で夜中などには旭中央病院にお願いできる体制を作った。それ以降休日、夜中の出血は見ていない。

夜中はどうして自院で処置しないかって?そういう条件を付けたら昭和が過ぎ去った今どきナースはただのひとりも応募する者はいないのである。

万が一に備えて小髙先生に顧問弁護士をお願いし、閉院迄無事漕ぎつけました。(完)

Follow me!

画像をアップロード

こんな症状にご注意を!(大腸)

●便潜血陽性を指摘された
●便秘
●下痢
●便秘と下痢を繰り返す
●便が残った感じですっきりしない
●おなかの痛み
●血便がでたなど
☆☆早めに受診されてください。
※思い当たる点がありましたら大腸内視鏡検査がおすすめです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

「日本語が含まれない」「URLが4つ以上」の投稿は無視されます。(スパム対策)